防火管理者の職務

WORK

本日、我社でボヤがあり、近隣の通報で警察・消防が来ました。

結果、消火活動をしなくても大事に至らなかったのですが、2時間ほど現場検証を行い、防火管理者の私も対応に当たりました。これを機に、防火管理者は何をすればよいのか、防火管理者の選任から職務内容についてまとめます。
ここで分かることは以下の通りです。

防火管理の選任について
防火管理者の職務について
消防計画書の作成方法
防災訓練について

では、さっそく解説していきます。

 

防火管理者の選任する

建物の所有者等の管理権限をもつ者が管理者を任命します。

社長が資格取得者を任命するということですね。

そして、選任した旨を消防署長に報告するため「防火管理者選任届出書」を提出します。

また、内容に変更があった場合、変更届を提出する必要があります。

 

防火管理者の職務とは

防火管理者とは、火事を未然に防ぐための管理をする者を指し、消防計画を作成し計画的に管理する責任者のことです。

まず初めに「消防計画作成届出書」を作成し消防署長に提出します。

その届出書(鏡)に消防計画を添付しますが、消防計画とは会社が定めた防火管理のルールであり、そこに防火管理者の職務もうたいます。

消防計画書を作成する場合は、下記内容を盛り込むと良いでしょう。

逆に言えば、消防に提出した消防計画書の内容を見れば、自社の防災管理者の職務が明確にわかります。

 

消防計画書を作成する

計画書の内容は以下について明記していきます。

1. 目的について

(例)この計画は、消防法第81項に基づき〇〇株式会社における防火管理業務について必要事項を決め、火災、震災、その他災害の予防と防止を図る事を目的とする。

2. 誰に対して適用するか

(例)この計画は、工場に勤務し出入りする者すべてに適用する。

3. 管理者の権限と義務について

(例)

  • 計画の作成や変更
  • 防災訓練の実施と指導
  • 消防設備や消火設備、火気使用設備の点検
  • 収容人数の把握と安全管理
  • 近隣との連絡調整
  • 消防機関に対する報告、連絡、届出
  • 管理業務上必要な指導監督  など

4. 安全衛生委員会の設置と構成、任務、開催日程

 各詳細を社内で決めて記述する

5. 従業員の遵守事項について

(例)

  • 従業員と工場に出入りする者は、次の事項を遵守する。
  • 所定場所以外の喫煙を禁ずる
  • 避難通路に物を置かず、整理整頓に努める など

6. 予防管理組織について

 ここでは、火災予防のための点検を行う担当と点検頻度を謳います。

(例)

  • 防火管理者→建築物を6か月ごと
  • 火気使用設備→防火管理者が随時
  • 電気設備→電気主任技術者が毎月
  • 消防用設備→〇〇警備会社が6か月ごと など

7. 自衛防災組織について

 社内の防災隊組織を決め、各班の役割を明記する

(例)総指揮、本部、消火班、情報班、救護班、設備班など役割を決め、全従業員がどこに属するのか表にします。

8. 震災予防について

 震災時の火災等の災害を予防するための措置、震災後の確認、発生時の対策を謳う。

9. 教育訓練について

 防火知識の教育方法とその内容を決め記述します。

この他に、附則として消防計画の開始日を記し、避難経路と集合場所を添付しましょう。

こんな感じで計画書を作成したら、消防署への提出と社内周知をし、これに則り職務を実施していきます。

次に、教育訓練の一環である防災訓練の実施について説明します。

 

防災訓練を実施する

1回以上の防災訓練を実施しなければなりません。

内容に決まりはありませんが、より実践的なものが望ましいです。

消防署に当日の指導をお願いすることもでき、場合によっては水消火器やAEDも用意してくれます。実際に119番に通報する通報訓練も望めば可能です。

ただし、起震車を依頼する場合は、各市町村の機関または業者となり、消防署では対応できません。

日程と内容を決めたら、消防署に相談してみましょう。

詳細が決まったら、「訓練実施計画書」をまとめて消防署に提出します。

訓練当日は、消火栓を使うと警報が鳴るので、事前に警備会社と近隣企業に訓練であることを伝えておき、終了時も報告する必要があるでしょう。

また、複数の消火栓がある場合は、年ごとに使用する消火栓を変えてホースに異常がないかチェックするのも良いかもしれません。

訓練が終了したら、消防署に「訓練実施報告書」を提出します。
その際に訓練の様子を写真を撮っておき、報告書に添付してください。

訓練内容について毎年悩むところですが、自社として緊急時に的確に動けるプロフェッショナル化を目指す場合は、防災隊の各班の役割について訓練を重ねていけば良いし、全社員に一通りの知識を覚えてもらう場合は、毎年ローテーションで消火栓や消化器、AEDなどを訓練するのも良いでしょう。

 

防災用品を管理する

大規模な震災などの災害に備えて防災用品をストックしておく必要があります。

中には使用期限や消費期限を管理し、入れ替えが必要なものもあります。

どんな物が必要かは、別記事にまとめます。

 

消防設備の点検と報告

3年に1度、「消防用設備等点検結果報告書」を消防署に提出します。

消火器や感知器、消火栓、防火シャッター、警報などの点検を行い、必要なら入替や修繕するのですが、契約している警備会社や設備会社に点検を依頼し、報告書を作成してもらいます。

報告書は2部作成し、1部は会社で保管します。

いざという時に正常に作動するよう、機器の点検は欠かせまん。

※消防署への報告とは別に、この設備点検は毎年行わなければなりません。

 

以上、防火管理者の職務についてポイントをまとめてきました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました