退職にあたり、会社から受け取る書類があります。
どれも転職先やハローワーク・市町村に提出する大切な書類です。
不備があると、退職後の会社に出向かなければならなかったり、手続きが遅れて損したり…
そんなことが無いよう、注意しましょう!
とはいえ、会社の担当者とやり取りをする中で、聞きなれない言葉が多いため、
「もらった書類をどうすればいいか」
「もらう書類に漏れはないか」
「説明されても、いまいちピンとこない…」
そういった不安を感じる人は、この記事を最後まで読んでください。
書類の名前や提出先・提出期限をいきなり覚えるよりも
「なぜその届出が必要になるのか」を理解することで
「何を準備してどう行動すればいいか」が自然とわかるはずです。
ここでは、以下を順序だてて分りやすく説明していきます。
・どういった内容のものなのか
・なぜ必要なのか
・どこに提出するものか
【退職後に必要な手続き】
・何をいつまでに
・どこでするのか
・準備するものは
退職時に受け取る書類
結論からいうと、受け取る書類は下記の5つです。
雇用保険被保険者証
源泉徴収票
健康保険被保険者資格喪失確認通知書
年金手帳
いきなり漢字が並んでます…中国語かよ!(笑)
安心してください。一言一句覚える必要はありません。
大事なのは「何のために必要な書類か」を知ることです。
まずは、次項の「給与から引かれているもの」についての説明を読んでください。
身近でよく聞く言葉なので、理解しやすいと思います。
給与から引かれているもの
毎月の給与から引かれているものに「社会保険」と「税金」があります。
それらを細かく分けると以下の通りです。
社会保険=健康保険+介護保険+厚生年金+雇用保険
健康保険:3割負担で病院にかかれる保険
会社が半分負担している
介護保険:1~3割負担で介護が受けられる保険
40歳以上のみ発生する
厚生年金:年金をもらうための掛金
会社が半分負担している
雇用保険:失業給付を受けるための保険
税金=所得税+住民税
所 得 税:諸手当を引いた給与額にかかる税金
給与支払い時に源泉徴収で引かれる
年末調整(確定申告)で1年分を精算
住 民 税:市町村に収める税金
6月~12月の均等割で支払う
前年の年収で金額が決まる
会社員は、これらの「社会保険」や「税金」を給与の中から納めています。
つまり、会社が社員に代わって、給与から徴収し納付しているのです。
退職することで、これまで会社が行っていた納付に関する処理を、自身や他の会社に変更する必要がでてきます。
書類の具体的説明
転職先が決まっている場合は、社会保険や税金の納付処理を、前の会社から次の会社に引き継ぐ必要があります。
独立もしくは転職先が決まっていない場合は、社会保険や税金を自ら納付する手続きを、市町村等で行わなければなりません。
また、失業給付金を受ける(失業手当をもらう)場合、ハローワークで申請を行います。
これらの手続きに必要となるデータや証明書が「退職時に受け取る書類」なのです。
では、各書類がどういったもので、何のために必要なのか…
書類ごとに説明していきます。
離職票
失業給付金の振込先、退職理由、退職時の給与が記載されたもの。
ハローワークで失業給付金の申請時に、給付額や給付期間を判断するため必要となります。
雇用保険被保険者証
雇用保険の加入者である証明書。
失業給付の資格者であるという確認のために、ハローワークで必要となります。
また、転職先からもデータを引き継ぐために提出を求められます。
源泉徴収票
1年間の給与額と納めた所得税額が記載されたもの。
転職先に提出します。(自ら確定申告する場合にも必要)
家族の扶養に入る場合も必要となる書類です。
健康保険被保険者資格喪失確認通知書
いま加入している健康保険の資格を、喪失したという通知書。
退職まえに加入していた健康保険から、国民健康保険に切り替える場合に必要になります。
年金手帳
年金に関する情報や、基礎年金番号が記載された手帳。
国民年金や厚生年金など、公的年金制度の被保険者である身分証。
(将来、年金をもらうために大切な手帳)
データ引き継ぎのために転職先に提出、もしくは国民年金に切り替えるために市町村に提出します。
これで「何を、どこに、なぜ」提出しなければならないか、理解できたのではないでしょうか。
しかし、手続きにはこれらの書類以外で、準備しなければならないものがあります。
退職後に必要な手続きについて、次にまとめたので見ていきましょう。
退職後に必要な手続き
失業保険の給付手続き
雇用保険を支払った権利として、失業給付金を受ける申請をします。
期日は離職票が交付されしだい。
退職した会社から離職票が届くのを待って申請します。
遅れるほど支払日が後送りになるので注意してください。
場所はハローワーク。
準備するものは、雇用保険被保険者証、離職票、マイナンバー等の身分証明書、印鑑、通帳、写真(3X2.5cm)2枚です。
健康保険の変更手続き
すぐに転職する場合は、転職先で資格取得手続きをします。
そうでない場合は、以下の3つから選択します。
1.これまでの健康保険を任意継続する
期日は退職から20日以内。
場所は健保組合で、指定書類を郵送する形になります。
準備するものは1ヶ月分の保険料(振り込み)、印鑑です。
2.国民健康保険に加入する
期日は退職から14日以内。
場所は市町村の健康保険窓口。
準備するものは、健康保険資格喪失証明書、市町村で定めた届出書、身分証明書、印鑑です。
3.家族の扶養に入る
期日は早めに。
場所は家族の勤務先。
準備するものは、源泉徴収票、離職票のコピー、失業保険の受給者は給付金額のわかるコピーです。
※1と2は健康組合と市町村に、それぞれ保険料の試算を依頼し、安い方を選択するといいでしょう。※3を選択できるのは、年収が130万円未満かつ被保険者の年収の1/2未満の人のみです。
年金の種別変更手続き
60歳までは公的年金制度の被保険者となります。
すぐに転職する場合は、転職先に年金手帳を提出すれば良いのですが、失業中や再就職しない場合は、国民年金に加入し、自身で支払い処理を行います。
国民年金の種別は以下の2つになります。
1. 第1号被保険者
通常はこれに該当します。
期日は退職から14日以内。
場所は市町村窓口。
準備するものは、年金手帳、離職票、身分証明書、印鑑です。
2. 第3号被保険者
配偶者が第2号被保険者(会社員はこれ)で、退職者が年収130万円未満の場合に該当します。
期日は早めに。
場所は家族の勤務先。
準備するものは、国民年金第3号被保険者該当届、源泉徴収票、離職票のコピー、失業保険の受給者は受給金額のわかるコピーです。
住民税の支払い手続き
転職の場合、転職先で引き続き給与から徴収し納付してもらえますが、引き継ぎに2ヶ月かかることもあります。(その時は後述の普通徴収に切り替えて自分で納める)
すぐに転職しない場合は、会社が行う特別徴収から、自分で納める普通徴収に切り替えます。
切り替えは退職する会社に行ってもらい、自宅に納付書が届いたら、一括か分割かを選びます。
※6~12月に退職した場合、退職月の住民税は給与天引き。
※1~5月に退職した場合、5月分までを給与から一括天引き。
以上、必要な書類と手続きについての解説でした。
【退職時に受け取る書類】
離職票(雇用保険被保険者離職証明書)
雇用保険被保険者証
源泉徴収票
健康保険被保険者資格喪失確認通知書
年金手帳 【なぜ書類が必要か】
会社が行っていた社会保険や税金の納付に関する処理を、自身や他の会社に変更するために書類(データや証明書)が必要となる 【退職後に必要な手続き】
失業保険の給付手続き
健康保険の変更手続き
年金の種別変更手続き
住民税の支払い手続き
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